「わ〜ぱちぱち」
「脱げ〜」
「黙ってろ酔っ払い」
「成人式の写真見る?」
「見せて。やっぱりかわいいなぁ…」
「麻耶も写真だけ撮れば良かったのに」
「柚子はどうしてるかな〜」
「誰も聞く気ないな…」
「幼馴染って呼べる子が3人いた。みんな別の時期の幼馴染なんだけど。
幼馴染って親同士が仲良かったり家が近かったりするけど、ご多分に洩れずみんなそうだった。
1人目は男の子。
まだ歩けるかどうかってときからの幼馴染。
歩き始めてすぐの写真をお互い持ってる。
一緒に幼稚園とか小学校とか登校してた。でも小学校に入ってお互い新しい友達が出来てくると、いつの間にか会わなくなって。中学入ってからも話をすることはあっても遊ばなくなって、別々の高校に行ってからは何もない。
成人式の時にちょっと話をした程度。
親同士が今でも仲いいから情報は入ってくるけど、あまりいい情報じゃない。
何度も警察の世話になったらしい。
刑務所にも入ったらしい。
幼馴染って呼べても、今では所詮この程度の間柄」
「2人目は女の子。
幼稚園に入る前の幼馴染で近所に住んでた。といっても家を建て替えるまでの借家だったらしい。
毎日一緒に遊んでたけど、女の子が引っ越したら終わった。
小学入ってからも話はしたけど、特に何かがあるわけでもなく。
成人式では顔すら見てないな。その程度だったんだろう。
確かな情報じゃないけど、早くに結婚したらしい。
幸せに暮らしてたらいいなぁ」
「3人目も女の子。
保育園からの幼馴染。体が小さくて人形みたいな女の子だった。
自然と仲良くなって一緒に遊ぶこともあったけど、このころのオレとしては女の子と遊ぶのはなんか恥ずかしくて。自然と距離を置くようになった。
それでも仲はよくて、小学・中学でもよく話をしていた。
でも結局は幼馴染でしかなかった。
高校が別々になって会わなくなってそれっきり。
成人式では、どうだったかな。覚えてない。普通に話したんじゃないかな」
「お兄ちゃんに女の影がいっぱい…」
「だいたいあたしの知らない人ばっかりなんだよね。お兄ちゃんがみんなと会わなくなったのはあたしの責任かも」
「そんなことないぞ」
「幼馴染って結局は環境だよね。出会いってどんどん増えていくから、それでも仲を保つって本当はすごいことなのかも」
「誰か会ってみたい幼馴染さんいる?」
「いや。小さい頃に仲が良かったってだけで今ではその他大勢の友達のひとりにすぎないから」
「お兄ちゃんの好きな言葉って『一期一会』だったよね」
「そういうこと。オレにとってはこの3人の幼馴染よりも出会ってから1年しか経っていない涼水の方が何倍も大切だし大好きだ」
「柚子はどうなんだろうね」
「人との出会いは大切にしてほしいって思うよ」
「そうだね。今私たちがこうして会っているのも何かの縁なんだよね」
「では!この出会いに乾杯!」
親愛なる幼馴染たちへ――
オレは大切な妹たちに囲まれて幸せに過ごしています。
みんなも幸せでありますように――
